改良ベタ品種解説 TOP
ソリッド・ブルー
  要するに簡単に言えば全身真っ青な品種の事です。ただ、一口にブルーと言っても様々なバリエーションがあるのは当然の事で、大きく3つの系統に分ける事が出来ます。
ターコイズ・ブルー(トルコ石のようにややグリーンを帯びた明るいブルー)
ロイヤル・ブルー(深みのある美しいピュアブルー)
スチール・ブルー(光沢の少ない、淡い群青色)
 ただ事はそう単純ではなく実際にはそれぞれの系統の中間的な色彩の個体も多数存在するため、入手に際しては通称名を鵜呑みにするのではなく、自分の目で確認して納得の上でゲットしてください。一応理論上は、ターコイズとスチールは両親に同系を用いれば親と同じブルー系が、ロイヤルの場合は3通りのブルーが生まれて来る可能性がある事になっていますが、上記のような理由のためあくまでも原則論と思った方が無難です。

 また、ブルー系には頭部が黒く染まる
ブラックマスクと呼ばれる系統と、全身ブルーに染まるフルフェイスと言う2通りの系統があることも知られています。元来はブラックマスクだけだったので、ソリッド・ブルーと言っても頭部が黒く染まるのは問題とされませんでした。しかし品種改良を重ね現在のフルフェイスを作出したので、純粋な意味ではこちらがソリッド・ブルーという事になります。しかし、要は好みの問題ですから後から出来たフルフェイスの方が高尚という事ではありません。ただ、ソリッド(単色)と言う観点から言えばフルフェイスの方が高評価を受けて当然で、ショーベタのコンテストではフルフェイスの方がより高い得点を得る事が出来ます。

 また、かつてはこの3品種とは別にコバルトグリーンの
グリーンと言う系統が存在したのですが、なぜか今ではすっかりその姿を見なくなってしまいました。右の4枚目の画像のショーベタは純粋な意味でのグリーンではありませんがかなり近いカラーリングなので参考として載せてみました。
ターコイズ・ブルー ロイヤル・ブルー
スチール・ブルー グリーン
ソリッド・レッド
  読んで字の如し(笑)全身が真っ赤に染まる品種の事で、ブルー系のように同じレッドでも微妙に色調が異なると言う事もあまりなく表現形は安定しています。ただ、ブルー系と違いボディやヒレに若干のメタリックブルー(イリデセンス)が見られる個体が多く純粋な意味でのピュアレッドと言うのはほとんど見当たりません。当然、ヒレ先やエラ蓋を含め全身が混じりけのないピュアレッドに染まれば染まるほど良個体と言えます。

 ショーベタでは非常にポピュラーな品種で我が国での人気も高いのですが、なぜかプラカットでは人気がサッパリありません。
今まで一度も売れた事がない唯一の品種(苦笑)として、わが逸品堂ではプラカットのソリッド・レッドは鬼門とされています。バンコクでは物凄く良質の個体沢山見かけるんですけどね〜・・・。と言う訳で、逸品堂の販売リストにプラカットのこの品種が載ることは今後とも非常に稀だと思いますが、決して希少な品種ではありませんのであしからず。

 また、この品種で面白いのは我が国ではメス個体に右の画像のような全身赤く染まった個体を用いるのですが、なぜか
バンコクではボディがクリームホワイトのいわゆるカンボジアと呼ばれる品種のメスを用います。バンコクのブリーダーに言わせると「こちらの方は、ボデイやヒレの赤がクリアになる」というのですが、残念ながら自分でその真偽の程を確かめていないのでなんとも言えませんけど・・・。ただ、実際にバンコクのブリーダー達はそのようなメスを使って、高品質のソリッド・レッドを量産しているのですからあながち間違いと決め付ける訳にも行かないでしょう。
プラカット ショークラウンテール
ショーベタ メス個体
ソリッド・ホワイト
  全身が真っ白に染まる品種の事をソリッド・ホワイトと呼ぶのですが、我が国ではスーパーホワイトと言う呼び名の方が通りが良いようです。ただ、スーパーホワイトと言う名称は本来、ソリッド・ホワイトのバリエーションの一つであるオペック・ホワイトに付けられた物であり、すべてのホワイト系をスーパーホワイトと呼ぶのは間違いです。ブルー同様、いくつかのバリエーションに区分する事が出来ます。
オペック・ホワイト(スーパーホワイトとも呼ばれ、最も純粋な意味での純白に染まる品種)
パステル・ホワイト(ややグリーンやピンクなど他の色彩が混ざったパステル調のホワイト)
シルキー・ホワイト(体表にパウダーシュガーを振りかけたような、絹の光沢のあるホワイト)
クリーム・ホワイト(かなり肌色に近い黄ばんだ白で、観賞価値が低いため品種として出回る事はほとんど無い)

 繊細でか弱げな外見どおり、何故か性格的にもベタとしては温和な個体が多くあまり盛んにヒレを広げる姿を披露してくれないことが多いようです。他の色の混ざっているのが一番良く目立つピュアな色調だけに純粋な意味でのソリッド個体を捜すのは至難のわざと言えるでしょう。ほとんどの個体ではエラ蓋や腹ビレが他の色に染まっている事が多いので選択する際はその辺りに注意してください。

 また、個人的にはショーベタよりプラカットのキビキビした外見を好む私ですが、派手さのないこの品種ではやはりヒレが大きく広がるショーベタやショークラウンの方に一日の長があるように思います。
オペック・ホワイト オペック・ホワイト
パステル・ホワイト シルキー・ホワイト
ソリッド・イエロー
  全身がイエローに染まる品種。非常に面白い話ですが、我が国でもっとも売れない自動車のカラーは?答えはイエローだそうです。服装とかでも、イエローの服は比較的購入者が少ないそうです。ところがお国が変われば好みも変わるもので、例えばタイではイエローは彼らが尊敬する国王陛下のカラーなので、国王陛下の誕生曜日(なぜかタイ人は生まれた曜日を気にする)である月曜日にタイに旅行でも行こうものなら、町が黄色く染まるほど多くの人が黄色い服装に身を包んでいます。また、中国人の間では「黄色=金運」のカラーとされていて、ベタでもイエロー系の品種に人気が集まっています。また、国旗の色でもあるドイツ人も黄色が好きなようで、ドイツ製の餌の容器がどれも一様に黄色いのにはそんな理由があるからだとも言われています。

 我が国では受けの悪いイエローだけに、今までは改良ベタのカラーの中では売れ行きの芳しくないものの一つとされてきました。確かに以前の個体はイエローと言うよりはむしろ肌色に近い色調で、ボディが透けて血管が浮き出て見えるような代物でしたから、我が国で人気がなかったのもうなずけてしまいます。しかし、ここに来て非常に美しいイエロー系の品種が次々と我が国に紹介されるようになり、我が国での人気もうなぎのぼりです。

ソリッド・イエローにも様々なバリエーションがあるのですが、その主なものは以下のようなものです。
ソリッド・イエロー(純粋な意味でのまっ黄色)
ソリッド・ゴールド(絹のような金属光沢のあるイエロー)
レモン・イエロー(明るい混じりけのないイエロー)
パステル・イエロー(やや乳白色を混ぜ合わせたようなパステル調のイエロー)
ソリッド・イエロー パステル・イエロー
ソリッド・ゴールド ソリッド・ゴールド
ソリッド・オレンジ
 かなり最近になって登場した品種で、全身がオレンジ色に染まります。出始めの頃は、オレンジと言っても薄茶色だったり(苦笑)、オレンジイエローだったりしたのですが、ここに来て急速に色彩面での改良が進みピュアオレンジの個体が入手できる様になってきました。何故か不思議な事に、プラカットやクラウンテールよりショーベタに良質の個体が多い品種でもあります。派手さはありませんが、暖かみのある色調なので我が国での人気も上々です。ショーベタの世界では素晴しい事に国産ブリードの系統がちゃんと存在しているようです。

 ベタの色彩は、体表の表層部に4層に存在する色素胞の組合せで決まるとされています。色素胞は@黒色素胞A黄色素胞B赤色素胞C白色素胞D虹色素胞の5種類で、例えばブルー系のベタだからと言って青色の色素胞がずらっと並んでいる訳ではなく、上記の4種類の色素法がセロファン紙を重ね合わせたように組み合わさって、外見上ブルーに見えているだけの事です。

 ソリッド・オレンジの場合、この4層の下層部分にある黄色素胞と赤色素胞の組合せで表現されていると言われ、したがって本来より上層に存在する黒色素胞や虹色素胞が欠如しているため、全体的に色彩の厚みがありません。したがって、特に
成長期などにはヒレの先端部分などが透明(クリアフィン)になっている事が多々ありますが、これ成長と共に改善される事が多いようなので御安心ください。

 国産ブリード個体が存在するショーベタに較べると、輸入に頼っているプラカットではまだまだ希少な品種で、良質な個体を入手するのはなかなか困難です。
プラカット プラカット
ショーベタ ショークラウンテール
ソリッド・ブラック
  理想的には全身が漆黒に染まるベタ。華やかさには欠けるが、とにかく精悍なイメージから国内では非常に人気が高い品種です。日本人のブラック好きは外国人も驚くほどで、ベタ以外でもグッピーなどでフルブラックなど異常なほどの高い人気があります。そんな超人気種のソリッド・ブラックですが、実際に全身が漆黒に染まる個体はほとんど存在しません。多くの個体ではボディの背中部分にシルバーが少しだけ残るのが普通です。

 理由はソリッド・ブラックの特殊な遺伝にあります。この品種は何故かペア共にソリッド・ブラックを用いると、産卵までは行くのですが卵が孵化しません。また、時々卵が孵化する事もありますが孵化率が極端に悪く、また稚魚も上手く育ちません。いわゆる劣勢致死遺伝と呼ばれるものと思われますが、とにかく
同系統での累代繁殖が出来ないのです。

 したがって、通常はソリッド・ブラックのオスにスチール・ブルーのメスを掛けて繁殖させます。そのため当然生まれて来る子供たちにはスチールの血が入るため、ピュアブラックと言うよりはほとんどすべての個体にスチールやシルバーが混入してしまうのです。その中から特に漆黒に近い個体をソリッド・ブラックとしているのが現状です。実際にはメス個体としてスチール以外にもイエロー、レッドなどほかの系統を使うブリーダーも存在しますが、いずれにせよメスに他の系統を使っている以上
永久に完成しない系統なのかもしれません。そのような繁殖上の困難も我が国でのこの品種の人気を後押ししているのかもしれません。何しろ日本人は少しひねりのある品種の方を好む傾向にあるようなので(笑)。

 一時期、繁殖に使えるブラックのメスというのが出回った事があり、ブラックマニア(笑)の私も早速入手し試してみました。確かに稚魚は孵化しましたが、孵化率が悪くまたその後の成長も非常に悪いため第2世代の誕生まで持っていけませんでした。
ショーベタ ショーベタ
ショーベタ メス個体(繁殖不可)
ソリッド・カッパー
  語源は「Copper=銅」から来ているように、ベースは鈍い光沢のあるシルバーで、ヒレなどにはネーミングの由来である銅のような赤みのある虹色が存在する品種です。ベタマニアの中にはアルファベットから「コッパー」と発音する方もおいでのようですが、個人的にはカッパーと読んでます。元々が銅の意味ですから、発音記号から考えると・・・。それにアカヒレの別名「コッピー」と紛らわしいし(笑)

 まぁ、見事に派手さのない(笑)品種ですが、反面物凄く精悍なイメージがあるため我が国でも根強いファンのいる隠れた人気品種です。確かに、カラフルなベタばかり飼育していると、ふとこの手の渋い大人の魅力?に溢れた個体も飼育してみたくなるものです。

 最近では語源である銅色の赤みを消し去った、ほとんど灰銀色と言うべき個体も作出されるようになって来ました。どちらが良いと言うことはないのですが、我が国ではやや灰銀色の個体の方が人気が上でしょうか?最も、個人的には銅色の鈍い輝きが好きなので、逸品堂ではついついそちらの系統を多く仕入れてしまう傾向にありますけど・・・(笑い)

 同じ渋好み系でありながら、ソリッド・ブラックと違いメスも同系統を問題なく使えるため系統の累代繁殖も容易です。そのためか色彩・体型・尾開きなどあらゆる面で完璧に近い絶品が数多く見受けられる嬉しい品種でもあります。

 それと、ソリッド・ブルー同様にこの系統にも
頭部までカッパー一色にそまるフルフェイスと、頭部が黒く染まるブラックマスクの2通りのタイプが存在しますので、選択はお好みでどうぞ。
プラカット プラカット
ショーベタ ショークラウンテール